坂西医師の訪問 2019年6月
医療支援13年目を迎えた東ティモールを初めて訪問してまいりました!!
本年6月8日〜13日に、皆様からお休みをいただき、私こと坂西京子は、NPO NAROMAN(輝き)の活動に賛同いただいております大船田園眼科の佐野雄太・尚子先生、滝澤清子先生とともに、初めて東ティモールを訪問し、ささやかな医療活動を行ってまいりました。
【現地の状況】
東ティモールは、2002年に独立し、約450年にも及ぶポルトガルやインドネシアの占領からの自由を手に入れたものの、経済的には苦しくなったと言われています。
6月現地は乾季に入り、木々の緑は色あせ、花々は少なく、土埃の中バイクやトヨタの中古車が右往左往、ゴミの散乱しているバラック小屋の路地には、現地の子供たちが走り回っている・・・昭和20年中頃の風景がここにあるのではと思いました。
【眼科医師マヌエルさんさんとの再会】
今から13年前、私どもの東ティモール医療支援の第一歩であったのが、現地の若者を医療従事者に育てようということでした。相談した所、聖心侍女修道会シスターモニカ中村葉子様より、シスターの教え子である良き青年、マヌエルさんを紹介されました。その彼を支援したのが始まりであり、彼は今インドネシア国立ウダヤナ大学医学部を卒業し、現在東ティモール東北部にある国立病院からの出張診療所で医事に携わっております。電気や水道もない診療所で、先日も出産に立ち会ったと誇らしげに語るマヌエル医師に、心から「ああ、良かった」と深い感激を覚えました。
今回の訪問を終えて、現地の状況を肌で感じ取れたことは大きな収穫であり、この経験を次の活動へと生かせるように取り組んでいく所存です。
皆様からの寄付金は栄養治療をはじめとする3歳児〜5歳児の送迎の中古の車を購入する資金とさせて頂きます※。また、老眼鏡は大変喜ばれており、多くの方々に見える喜びを味わっていただいております。引き続き、老眼鏡に限らず皆様からの何らかの温かいご支援を頂ければ有り難いです。 ※2019年
【医療活動】
現地の子供たちを診察してみたところ、わずか4歳にして白内障を患っている子供や、外斜視・弱視など、予想はしていたものの、大変厳しい現実を思い知らされました。また、埃にまみれた環境など衛生面の悪さからか、先進国特有の病気と思われがちなアレルギー・結膜炎やドライアイの症状をもつ子供も沢山見られました。
診察できた子供たちはほんの一部でしかなく、まだまだ多岐にわたる症状を抱える子供が存在すると痛感しました。こういった状況を改善するためにも、まずは衛生面・栄養面の向上が必至であり、そのために我々に出来ることを改めて検討し、ひとつづつ形にしてゆきたいと考えております。
【東ティモール大使館訪問】
訪問初日、東ティモール大使館特命全権大使の南 博様と面談する機会を得ました。大使は子供の栄養状況改善や眼科医療の推進に前向きで、われわれNPO NAROMANの活動にもご理解いただきました。今回の訪問・面談をふまえて、我々にできることを早急に検討してまいります。
【最後に】
NPO NAROMAN《聖ラファエラ 子供の家》は、旧小学校校舎予定であった建物で10数年間手つかずのものを利用しております。その建物の改修工事をほぼ終え、あとは近隣との土地の問題が解決すれば、栄養不良児を迎え入れることができる状態にまで進んでおります。土地というのはどの国も、何とも順調にゆかないものですね。その間にも子供たちは育ってしまうという事を現地人も少しでも考えていただければと、現地の言語であるテトゥン語を話せない私としてはとても歯がゆい残念な思いです。解決に向くよう、私も再度のおねがいをしようと思います。
まずは、皆様のお気持ちは現地の人々に届いたことは間違いありません。
今後も皆様のお力でよりよい国と国とのおつきあいができますよう、頑張りましょう。
ありがとうございました。
2019年6月17日
NPO NAROMAN
坂西京子
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